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会社が生き残るためには、経営・組織改革が必要です。
“会社をいかに変えるか、変わり続けるか”いつの時代も変わらない「経営者の命題」です。世の中(外部環境)は常に変化しています。会社も変わらなければ、現状維持さえ不可能です。
2008年9月のリーマン ショック以来の景気の急激な悪化は、かって経験したことのない厳しいものです。経済のグローバル化と言われて久しいですが、この急激な世界同時不況の進展は、改めてグローバル化の実際と激烈なサバイバル競争の現実を認識させてくれました。
この厳しい現実の中で、過去の成功体験は全く役に立たないパラダイムの転換が起こっているようです。この大変な時代を生き残るには、このままの経営・組織体質で良いのかを自問する必要があります。
何としても生き残る、勝ち残るという執念と危機感を経営者のみならず会社の全メンバーが持たねばなりません。そのためには社員を経営に巻き込み、社員が積極的に経営に参画する企業風土が必要です。
しかし多くの企業は売上高で社員の尻を叩くだけで、社員の経営参画という企業風土を持つ中小企業はごく少数です。
今後も予測される企業のサバイバル競争においては、経営者の視点を持つ社員のベクトルが揃った企業が生残り・勝ち残っていけるのは必然でしょう。
その様な企業風土を作ることは社長の仕事、社長の責任です。
会社及び企業風土を変えるには“まず形を作る”ことが効果的な方法の一つです。
形を作るとは「仕事・評価・処遇の見える化」を推進し、最終的には「経営の見える化」を行うことです。この見える化(可視化)を図ることにより、情報の共有化の仕組みと、変化に迅速に対応できる組織への改革を行わなければなりません。
まずは形を創る。正しく形が出来れば、心(成果)は必ず後からついてきます。
処遇の見える化(給与基準の明確化)
社員の一番の関心事、不満要素の最大のものは給与です。
社員の給与を社長の胸先三寸のブラックボックスにしないこと、きちんと説明できる給与制度であることが重要です。給与は会社によって様々の要素がありますが、その決定には社長の思いが反映されているはずです。
まず現状の給与を職種、階層(例えば一般職、中堅職、管理職等)ごとに整理し体系化する必要があります。
給与は基本給と手当に分けられますが、“基本給”は階層内で均等、若しくはある程度の年功序列が正しいと思います。
一方“手当”は、どういう仕事をしているか、どんな成果を上げたかによって変わっていくものでしょう。(賞与も同様です。)
全ての社員を満足させる給与基準を作ることは出来ませんので、不完全な基準でも作成してまず運用すべきです。
今後の昇給等の道筋や、会社業績との連動等もきちんと説明できる必要があります。
やってもやらなくても同じではなく、全ての社員にチャンスを与え、職務や成果によって差が出るのが公平な給与制度です。
また職種・業種によっては残業代の取扱いや高齢者雇用、役職定年制や昇格・降格等への柔軟な対応ができることも重要です。
仕事の見える化(成長支援シート)
会社の各部署・職務階層にはそれぞれの役割と期待成果があり、仕事には必ず重要成功要因やノウハウがあります。
“誰が、どんな仕事を、どのようにこなし、どんな成果を上げているか”を明らかにし、その期待成果を達成するために必要な一連の仕事の流れ(行動プロセス)を分析・特定し、共有できるように可視化する必要があります。
単なる行動の羅列ではなく、その行動が何のために行い、期待成果にどのように結びつくのか、まで特定しなければなりません。
具体的には、その職務・階層で高い成果を上げている優秀な社員をモデルにして、
- 高い成果を上げている優秀な社員はどんな成果を上げているのか。(期待成果)
- その成果を上げるために、どのような業務をどのようなやり方で行っているのか。(重要業務と遂行プロセス)
- その業務を行うために、どのような知識・技術が必要なのか。(知識・技術)
- どのような勤務態度で業務を行っているのか。(勤務態度)
を分析・抽出し、「成長支援シート」として可視化することです。
その成果も誰も手が届かない理想的な成果ではなく、実在の社員が実現している成果であり、その高い成果を上げるためのノウハウ・具体的なプロセス等を示します。
これは業務の標準化を図るためのマニュアルではなく、成果を上げるための行動様式基準であり、その部署全員での共有化を図らなければなりません。
仕事のノウハウを教えたくない企業風土ではなく、教え・真似される社員が高く評価され、全社員が成長できる企業風土が必要です。
環境の変化によって、期待成果を上げるための重要業務や遂行プロセス等は変化していきます。(世界同時不況といわれる現在もまさにそうでしょう。)
この様な環境変化の中でも、仕事のやり方を変えて成果を出す方法は必ずあり、それを実行している社員が必ずいます。
その重要業務やプロセス等をいち早く新たなシートとしてまとめて、素早く共有化しなければなりません。
この成長支援シートは、環境変化に応じた進化を常に行い、社員を成長させるための仕組みであり、社員の成長こそが会社の成長につながります。
評価の見える化(成長支援シートによる絶対評価)
成長支援シートの期待成果・重要業務・知識技術・勤務態度を評価要素として評価基準を具体的に定め、各要素をウェート付けすれば、社員の評価が100点満点での点数化が可能です。
これは社員の比較や順位付けをする相対評価ではなく、各評価要素への達成状況に基づく絶対評価です。
各社員の優れたところや努力が必要なところが具体的に示され、それに基づく具体的な指導も可能となります。
社員同士で競わせる相対評価は愚の骨頂です。他人と比べても成長はありません。
絶対評価基準で、過去の自分自身と競わせるからこそ気付きが得られ、成長します。
この評価点数によって評価等級が設定され、給与制度とリンクさせれば、社員の成長が自らの処遇にきちんと反映されることが明らかになります。
また一般職層から中堅職、中堅職層から管理職等への昇格基準点数を決めれば、客観的なステップアップ(昇進)制度となります。
これら一連の「仕事・評価・処遇の見える化」は結果として、社員を成長させる優れた人事制度となります。
経営の見える化(経営計画書の策定と公開)
経営計画書を作っている中小企業は100社に1社位と言われています。作成した経営計画書を社員に公表・公開している会社は更に少ないでしょう。
経営計画書を作り公開するには、経営情報の公開が前提となりますが、情報を“見せないリスク”と“見せるリスク”のどちらが大きいかといえば、“見せないリスク”の方がはるかに大きいといえます。
会社の現状・将来の方向性が分からなければ、社員のモチベーションが上がるはずもありません。経営計画書を作り、社員(及び金融機関等関係者にも)公開する必要があります。
会社は社長が決定したようにしかなりません。まず経営計画書を策定することが必要であり、決定するのは社長の仕事です。
周りの状況を鑑みて決定する“帰納的な決定”は、決定ではなく決定させられている場合が多いのです。
自ら望む未来(長期計画)実現のための“演繹的な決定”が本来の決定であり、経営計画書の内容とすべきものです。
しかし長期計画は、各種予測データを駆使して精緻に作っても余り意味はありません。
誰もが納得する数字の根拠・妥当性に拘ると前に進みません。不都合が生じれば修正・変更すれば良いと割り切ることです。
(年度計画は具体的な実行計画に基づくものであり、根拠・妥当性のある数字で、ある程度精緻に作る必要があります。)
経営環境は刻々と変化します。自社の都合に合わせてはくれません。いち早くそれに対応できた会社だけが生き残ります。
長期計画の内容は変わらないものではなく、環境変化に合わせて柔軟に変えていくべきものでしょう。
その長期計画に基づいて、各種の経営方針や年度計画等が決定されます。
特に昨今の厳しい経済環境変化の中では、経営計画書は何度も書き換えられる必要があるかもしれません。
それでも経営計画書の中で、幾つかの選択肢の中から方針を決定するからこそ、目標を実現するために“今やるべきこと”が明らかになります。
逆に言えば、経営計画書の内容が達成できるかどうかは本質的な問題ではないとも言えます。
計画と現実との乖離(ギャップ)を認識することが重要であり、その差を埋めるための方針と実行計画を検討し、その実行の中でPDCAのマネジメントサイクルをきちんと回していくことが重要です。
会社の長期計画、各種経営方針、年度実行計画等を明文化した経営計画書は少なくとも毎年策定し、社員に公表・共有化しなければなりません。
社長と社員が会社の現状と進むべき方向性を共有化すれば、“何をすれば成果が出、利益が上がり、社員の給与が上がるのか”が明確になって社員のモチベーションも上がり、会社の成長につながります。
経営計画書は、社長が決定した会社の方針・ルール・目標等を示し、全社員が共有するもので、会社が健全に成長していくために必要不可欠なツールです。
労務管理の見える化
会社の方針・ルールや目標は社長が決めますが、社員の労働条件や労務管理は法定されている面があり、この部分は法律等の規定に従わなければなりません。
労務管理は社員の採用、配置から退職まで非常に幅広い分野が対象であり、常に様々な問題や手続き等が発生します。
関連する法令等も非常に広範にわたり、法令や制度の改正も頻繁に行われ、ますます高度化し複雑になっています。
労基法、労働時間と賃金管理、安全衛生管理、高齢者雇用、次世代育成、労働・社会保険---、考慮すべき要件は沢山あります。
これら多くの要件をいかに組み合わせて社員満足と会社利益を実現していくかが問われています。
また労働契約法も施行され、改めて就業規則等の重要性と労務リスク管理の必要性が再認識されています。管理強化は利益にはつながりませんが、必要規定等がきちんと整備されていないと、トラブルに繋がります。
規定・形式をきちんと整備し、不測の事態に備えておくことは、最低限のリスクマネジメントです。
こうした多岐にわたる労務管理を、事業主や労務担当者だけで担当・処理することは限界があるのも事実です。
日常労務管理も専門家に任せるのが安心です。
当事務所は 中小企業診断士・社会保険労務士 事務所として、経営・人事労務管理の両面から中小企業のサポートを行っています。
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